エッフェル塔を売った詐欺師がいるって本当?

1920年代のパリでエッフェル塔を見上げる詐欺師のシルエット。屑鉄として売却された実話詐欺事件のイメージ Compassコラム

「詐欺師が『エッフェル塔』を屑鉄として売却?事実は小説より奇なりな実話」なんて噂、聞いたことありませんか?まさかと思うかもしれませんが、これ、本当にあった出来事なんです。今回はその驚きの手口を、隙間時間でざっくり解説します。

エッフェル塔売却詐欺って?

「エッフェル塔を売る」なんて、まるで漫画のような話ですよね。でも、これは1925年のフランス・パリで実際に起きた事件です。

当時、エッフェル塔は建設から30年以上が経過していました。老朽化が進み、維持費がかさむことから「取り壊すべきでは?」という議論が本当にあったのです。そこにつけ込んだのが、ある一人の詐欺師でした。

彼は政府高官になりすまし、極秘裏に屑鉄業者を集めました。「政府は塔の維持費にもう耐えられない。だから屑鉄として売却することにした」そんな嘘を、まことしやかに語ったのです。当時の不安定な社会情勢も手伝って、業者はその話を信じ込んでしまいました。

「エッフェル塔を売った男」の正体

この大胆不敵な計画を実行したのは「ビクター・ルスティグ」という男です。彼はただの泥棒ではありません。5ヶ国語を操り、洗練された身のこなしで相手を魅了する「紳士的な詐欺師」でした。

「伯爵」という偽の肩書きを使いこなし、人を信じ込ませる天才だったといわれています。ルスティグにとって、エッフェル塔は巨大な建造物ではなく、ただの「金儲けの道具」に過ぎませんでした。彼のすごいところは、嘘のスケールが大きすぎたことかもしれません。「まさかエッフェル塔で詐欺をするはずがない」という常識の裏をかいたのです。彼の手にかかれば、ありえない話も真実のように聞こえてしまう不思議な魅力があったそうです。

なぜ「屑鉄」として売れた?

では、なぜプロの業者が騙されてしまったのでしょうか。ここには、ルスティグの巧みな心理テクニックが隠されています。

まず彼は、パリの一流ホテル「ホテル・ド・クリヨン」で秘密会議を開きました。これで「政府の極秘案件」という信憑性を高めたのです。そして、彼は集まった業者の中から、経験が浅く功名心にはやる「アンドレ・ポアソン」という人物をターゲットに選びました。

決め手は「賄賂(わいろ)」の要求でした。ルスティグはポアソンに対し、「この取引をスムーズにするために、個人的な謝礼が欲しい」と持ちかけたのです。普通なら怪しむところですよね。しかし、ポアソンは逆に安心しました。「あぁ、こいつも汚職役人か。なら話は本当だ」と勘違いしてしまったのです。相手の「下心」を利用して信用させる、まさに悪魔的な手口といえるでしょう。

結局、犯人はどうなった?

この事件の結末もまた、驚くべきものです。なんとルスティグは、代金と賄賂を受け取り、まんまとオーストリアへ高飛びしました。被害者のポアソンは、騙されたと気づいた後も警察には届け出ませんでした。「エッフェル塔を買おうとして騙された」なんて、あまりにも恥ずかしくて世間に言えなかったからです。

味を占めたルスティグは、なんと1ヶ月後に舞い戻り、別業者に「もう一度」エッフェル塔を売ろうとしました。さすがにこの時は警察に通報され、彼はアメリカへ逃亡します。最終的には逮捕されて刑務所で生涯を終えますが、その生涯はまさに「事実は小説より奇なり」ですね。皆さんも、うますぎる話と「極秘の儲け話」には、くれぐれもご注意を!

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